2014年04月30日

第4章(思いやり(2))


ジョウ:出家した者には財宝はありません。知恵とか、他人にたいす
る施しを宝とします。
ゲン:そうだね。
ジョウ:他人が仏道から外れた行いをすることがあるが、それをマチ
ガイと決めつけてはいけませんね。
ゲン:そう。
   手立てを尽くし、相手がマチガイであると気付くように言って
やるべきだ。「暴悪なるは久しからず」という。荒くれた手段
は長続きしないという意味だ。
ジョウ:心の狭い人とそれが広い人がいます。心の狭い人はちょっと
した荒い言葉にもすぐに腹をたて恥をかかされたと思います。
もともと心の広い人はそんなことはありません。
ゲン:打たれてもしかえしなど考えない。この日本には心の狭い人が
多い。慎重にコトを進めなくてはいけない。


posted by sakonjqs at 05:36| 正法眼蔵随聞記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月29日

第4章(思いやり(1))

 ゲン:こんな話がある。
 ジョウ:はあ?
 ゲン:本当か、ウソかは知らないが、故持明院の中納言入道が、
    あるとき、秘蔵の太刀を盗まれた。
 ジョウ:たいへんですね。
 ゲン:中納言の配下のさむらいのなかに犯人がいたようだ。当の
    さむらいの仲間は犯人を知っていた。仲間のさむらいは協
    議した。そして、「あいつが盗みました。このとおり、
    太刀をお返しします」と言って返した。
 ジョウ:は
 ゲン:中納言入道は「それは私の太刀ではない」と言って受け取ら
    なかった。
 ジョウ:ほお・・・。
 ゲン:確かにその太刀ではあったが、さむらいの恥辱をおもんぱか
    って返したと多くの人は想像したが、そのときはそれ以上の
    ことはなかった。
 ジョウ:ほお・・・。
 ゲン:中納言入道の心がこのように広かったため、子孫は繁栄した。
 ジョウ:世間ですら他人を思いやる心はこのようなものだ。
     いわんや、出家した者は他人にたいする思いやりのこころ
     がなくてはいけない。

左近コメント:
確かに、ゲンの言う通りです。私、反省・反省、です。(In 中国)
posted by sakonjqs at 06:51| 正法眼蔵随聞記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月28日

第4章(成り行き)

ゲンとジョウが修行している寺へ一人の僧がやってきた。この時代、
旅は修行の一形式であった。旅をしながら、いろいろな僧に会い、
その意見を聞くのである。この僧を僧Tとしよう。

 僧T:近頃の遁世のやり方は、季節で必要とする衣服とか道具とか
    を事前に準備し、その季節が来たときに着たり、設置します。
    これは、小さなことのように見えますが、修行にあたり、基
    本的なことだと思います。必要なものがない場合、生活が
    困ります。
 ジョウ:はい。それは、確かにそうですが・・・。
 僧T:皆さまの様子を漏れ聞き、あるいは実際に拝見すると、
    まったく準備をなさっているようには見えません。すべて
    成り行きのようです。もし、私が拝見するとおり、実際に成り
    行きで過ごしていらっしゃるのであれば、生活に困ることは
    ありませんか?
 ゲン:勝手気ままに行っているわけではない。過去の僧が慣例と
    してやっていることを私たちはやっているのだ。インドでも、
    中国でも、仏祖はそのようにしてきた。
 僧T:はあ・・・
 ゲン:このようにやってきて、福が尽きることはない。自分のためを
    思ったことはない。明日は明日のことが起きるのだから、そも
    そも、準備をすることもできない。もし、ずっと食事にあり
    つくことができない状況に追い込まれれば、そのとき、知恵も
    出るであろう。事前に生活のことを心配したことはない。

左近コメント:
私は、上記のゲンの発言に、反対です。「段取り7分」を信じます。すなわち、成果をあげるために、その仕事を実行するまえの計画が大事だということです。計画とは、紙にガントチャートを書くのでなく、イメージ・トレーニングに近いです。(In 中国)
posted by sakonjqs at 06:29| 正法眼蔵随聞記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする